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Tuesdays with Morrie

映画ではなく、原作の本の話。

本というのは(それだけに限ったことではないが)、
読む時期によって随分と印象が変わるものだ。
「Tuesdays With Morrie」というこの本は、
随分前に何かで知って本屋で立ち読みをしたことがある。
その時には、読み進めそうもないと思い
買わずに終わってしまったのだけれど、
最近になって友達がいいと言っているのを聞いて
図書館で借りてきた。
そして、あっという間に読んでしまった。

実のところを言うと、
全体的にはそれほど好きな本ではない。
自分でも素直ではないなと思うが、
背後にやや押し付けがましい愛が漂っているように
感じてしまうからだ。
重い病気になり余命まもない大学教授のモーリーと、
その元教え子との間で語り合われたことが
書かれている。
教え子が病気のことをたまたま知ったことから、
交流を再開する2人の最後の授業だ。
題材的に仕方のないことなのだろうとは思うものの、
典型的な愛の形が(別に悪いことでもなんでもないのだが)そこに示されているのを少し重く感じた。

とは言っても、いいなと思うところもたくさんあった。
それでなければ、あっという間に読んでしまったりはできない。

モーリー教授がどんな人なのかということが
描写されるところがある。
そこに素敵な場面があった。
教授はグッド・ダンサーだというのだ。
どんな音楽が流れていようと、
自分流のリズムで、とても気持ち良さそうに踊ると。
この部分を読んでいて、ある古い映画を思い出した。
映画の題名や出ていた俳優の名前も何も思い出せないが、耳の聞こえない若い女性の話であった。
その彼女が何かのダンス・パーティーに出席し、
ホールで踊るシーンがある。
もちろん音楽は聞こえていない。
だから、彼女の踏むリズムは周りからも
音楽からも完全にずれている。
でも、そんなことには頓着する様子もなく、
まるで水の中を泳ぐように気持ち良さそうに踊っている。

自由とはこういうことをいうのだろうと思った。
モーリー教授のダンスの様子は、
彼女の自由な感じと同じようなところがあると思った。
耳が聞こえている分、もっと自由なのだろう。

教え子の弟の話もいい。
弟もまた重い病気にかかっている。
手助けをしたいと思うのだが、
どこにいるのかさえ、はっきりとしない。
取りあえず分かっている電話番号をまわすが、
「自分で解決するから」と取り合ってもらえない。
幼い頃には随分いっしょに遊んだはずなのに、
自分は彼とつながっていると思っていたのに、
いつの頃からそんな風に心が離れてしまったのかと
兄である教え子は悩んでいる。

弟はモーリー教授とは正反対のタイプだ。
病気と向き合うだけの強さはあっても、
それを周りの人といっしょにやることができない。
1人或いは限られたほんの少数の人としかやっていくことができない。
たぶん、他人の手を煩わせないと同時に、
多くの人を寂しい気持ちにさせてしまうタイプの人なのだろう。でも、私には弟の行動の裏にある「感じ」が何となく分かる。
弟について教授がどうコメントしたのか、
肝心のところを忘れてしまった。
けれど、教授と弟を決して比べるのではなく、
弟のことはそれはそれとして、
もう1つの愛或いは人間の形として、
大切に慎重に考えられている様子はとてもうれしかった。

他にも好きな場面はたくさんあるのだが、
書き出すと長くなるのでこれくらいにしておこうと思う。
全体的にはそれほど好きではないのに、
1つ1つの細かい場面が印象深いという面白い本だ。

(2005年11月19日)


 


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Tuesdays With Morrie
【著者】 Mitch Albom
【出版社】 *ハードカバー
Doubleday出版
ISBN:0385484518
1997年初版
*ペーパーバック
Broadway出版
ISBN:076790592X
2002年初版
【翻訳版】 「モリー先生
      との火曜日」
ミッチ アルボム
(著)
別宮 貞徳
(翻訳)
NHK出版
ISBN:4140810076

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