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Family Ties
たっぷりとした間のあく映画だった。
人間関係の話みたいな3つの話が出てきて、
それが最後にどうにかつながるような流れなのだけれど、出てくる人々が考え込むたびに、
たっぷりと間が取られる。
特に、3つの話のあいだに取られた2つの間は
一段と長く、この先、この人はどうするのかな?
或いはどうにもならないのかな?というのを
スクリーンやビデオの前でぼんやりと考えさせられることになる。

誰かの手持ちのビデオカメラで撮ったみたいな映像で、ソウル郊外ののんびりした感じの街並みが背景となっている。
韓国映画なだけに出てくる食べ物もきちんとおいしそうで、そんな風に人々の日々の営みがしっかり写っている分、複雑な人間関係に、言わないだけで、
わりと多くの人が、それくらいのことは抱えているんじゃないかと思うような自然さがあった。
逆に、その分、重く感じたともいえる。
それでも、それぞれの人の決断が気持ちよくて、
とてもいい映画だったなと思って観終わった。

観終わって、何のきなしにDVDのパッケージを見て、題名を確認して涙が出そうになった。
「家族の誕生」とある。(*1)
私は音楽でも映画でも、題名とかをあまり気にせずにいることも多く、こういうことはよくある。
題名を知って観ていたにしても、それなりの感動はあったとは思うけれど、それが逆だったことにより、
誰かが知らぬところでやさしくしてくれていたことを知った時のような、あっと思ってふっと心がゆるむような感じの感動があった。
その時、周りに人がいたので泣きはしなかったが、
一人だったら号泣していたかもしれない。
いや、周りに人がいたくらいで泣くのをコントロールできたくらいだから、号泣まではいかなかっただろう。
いずれにしても、いい映画が感動の映画に変化した。この状況を「家族の誕生」と名付けるのか、それはすごくいいじゃないかと思った。

あるゲイ・カップル(女性同士)と子供2人の4人家族をインタビューしたテレビ番組を観たことがある。
カナダかアメリカか、どちらかかのゲイをテーマとしたドキュメンタリー番組だった。
子供がまるっきりの養子だったのか、どちらか片方が産んだ子供だったのかは忘れてしまったが、
うち1人の男の子のコメントが忘れらない。
「We are not a bunch of people」
つまり、寄せ集めなんじゃなくて家族なんだ、
ということが言いたかったのだろうと思う。
子供はまだ10歳くらいだったから、
たぶん大人が言っているのを聞いてマネして言ったのだろうと思うが、あまりにおかしく、悲しく、そして、とても分かりやすいコメントだったと思う。

書き出すと長いし、ここは映画の感想を書くところなので内容は割愛するけれど、
私には「We are not a bunch of people」というか、
ひいては、この世に生きる人やら動物やら植物は皆、「a bunch of people」で、そのどれがどのように結びついても家族になるものだというような考えが強くあり、血とか、自分と姿形が似ているものとか、自分と関係のあるものとか、というような区分けを間のあたりにすると、(自分がそうしてしまったときも含めて)
もう、どうにもやりきれない気持ちになってしまう。
特に、「血のつながった家族」というようなものが前面に、或いは、無意識の行動に出ているところを見ると、やりきれなさは強くなる。

映画は、成り行きとか、どうしようもなくてとか、
人間の本来あるべき習性みたいものによってとか、
つまりは、血とかが関係しないところで、人々がひとつ屋根の下に暮らすことになることを描いている。
たっぷりとした間を取って考えた結論を「家族の誕生」ということにしている。
映画の中の彼らが「We are not a bunch of people」という風に意識したかどうかは分からないが、
結局、それはそういうことなんじゃないの?という問いかけがしてあるように思った。
その問いかけはすごくいいじゃないかと思った。

(*1)韓国語が分からないので実は何とも言えないが、
「家族の誕生」というのは直訳だろうか?
中国語版でも「家族の誕生」という意味の中国語に訳されていたが、英語は「Family Ties」となり、それだと「家族の絆」という感じで、少し意味が変わってくるように思う。


(2006年9月10日)


 


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Family Ties
【監督】 キム・テヨン
【キャスト】 コ・ドゥシム
ムン・ソリ
オム・テウン
コン・ヒョジン
キム・ヘオク
ポン・テギュ
チョン・ユミ
リュ・スンボム
( 2006年韓国公開 )   

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