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同性愛というのは先天性のものなのか? 或いは後天性のものなのか? よく議論になるトピックである。 その議論は根本的に見方を変えてもいいように思う。 「同性愛」という言葉を「同性と異性とどちらに興味が向くか(いとおしむか)」という言葉に置き換えて考えてみたらどうだろうか。 つまり、「男と女が組み合わさるのが普通」という考え方が全くない環境で子供が育った場合に、 いったい、どれだけの人が一般的に「普通」と言われている方向へいくのか、ということである。 それはもしかすると、我々の想像以上に少ない割合になるのかもしれない。 この映画を見ながら、そんなことを思った。 羊に山越えをさせる仕事をすることになった2人の男の子の話である。 1人はややC調な感じのする青年。 どちらかというと、周りを振り回すタイプのようだ。 別の1人は、無骨だがお人良しなところがある。 いつも損をしているようなタイプに見える。 共通しているのは、 どちらも要領がいいとは言えない性格だということ。 それと、カーボーイ・ハットが良く似合うことくらいだ。 こういう性格の2人が、それも昨日まで見知らぬ者同士だった2人がタフな仕事をこなしていく場合、 モノゴトはたやすくは進まない。 が、結果として、それがかえって関係を近づけることになる。 開けっぴろげに高くそびえる山々と広く濃紺な空、 その間にくっきりと星が映える。 上流を流れる冷たい川の音とともに、 くつろいだ馬の立てるのんびりとした声が聞こえる。 それとは対照的な羊達の夜を恐れるか細い鳴き声が遠くに重なり、 なだめるように働き者の牧羊犬がほえる。 あたりの空気は暖かな焚き火の色でゆれている。 重労働の後のそんな夜を何度も過ごしながら、 出会ったばかりの人のことを少しずつ心地良く思っていくというのは、何にも優るものだ。 数ある「幸せな気持ち」の中でも最も大切に取り扱わなければならないものだろうと思う。 そのごく当たり前の自然界の法に従った結果が、 映画の中に書き記してあったと思う。 小学生の頃、 私には仲の良い(同性の)友達が2人いた。 ある日、その2人が教室の窓辺のカーテンの陰から私に手招きしている。 寄って行くと、「いいものを見せてあげる」と言って キスをしている様子を見せてくれた。 ケラケラと笑いながら何度もする。 彼女達はその様子を私に見せるだけで、 仲間に入ればとは言わない。 私もただぼんやりと見ているだけだった。 それは、彼女達は私が大人の言うことをよく聞く子供だと知っているからで、私もそのこと(彼女達がそう思っていること)を分かっていた。 そして、実際にそうだった。 そう思いながらも、 暖かい日差しのさし込むクリーム色のカーテンの中で、友達2人は楽しそうで幸福そうに見えた。 そして、とてもきれいだった。 こういうのは、わりと多くの人々が経験していることではないかと思う。 それが、いつの間にか、 「普通」の方向へ「軌道修正」されていく。 皆、そのことを「自然」なことだと思っているかもしれないけれど、本当にそうなのだろうか? 自然な場合もあれば、自然ではない場合もあるのかもしれないと思う。 美しい正真正銘の自然の中で、その一部になったように見える2人の男の子を見ながら、改めてそんなことを思った。 (2006年2月17日) |
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