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映画を観たのは昨年(2006年)の暮れも近くなった頃だった。 当時は、感想がどうもうまくまとまらなくて、 ダラダラと書いたままそのままにしておいたのだけれど、それから随分日もたって、それでも幾つかのことがずっと心に残っているので、 その辺りのことを中心に書いてみようと思う。 アフリカ西部のシエラレオネでの内戦と、 そこから違法に流出されるダイアモンドの取引きを めぐる実情が背景になっている。 1990年代に実際にあったことをベースにしたフィクションで、子供が兵士として使われていることや、 違法ダイアモンド取引きから出る利益の行き先、 それに翻弄される人々といったことに対して、 物申すというような意味合いがあると思うけれど、 政治的な話をする代わりに、 それに関わっている(関わらざるを得ない状況にいる)人達にセリフを通していろいろなことを言わせているところが面白いと思った。 主な主人公は3人。 1人は、元兵士で、白人系アフリカ人という立場を使い、ダイアモンドの取引きで金儲けをしている男。 2人目は黒人系アフリカ人の漁師。 反政府組織RUFに捕まり、ダイアモンドの採掘場で働かされるはめになる。 妻と子供は難民キャンプへ非難できたものの、 上の息子は同じようにRUFに捕らえられ、 少年兵にされる。 3人目はアメリカ人ジャーナリスト。 内戦と違法取引について調べている。 理想主義的で、かなりのハードライナーな女性。 この3人というのは、アフリカ社会と西側諸国の関係の(表面的な部分ではあるけれど)縮図のようなものにあたると思うが、 彼らが歯に衣着せぬ感じでワアワア言い合う。 それ以外にも、RUFのメンバーとか、 ダイアモンド会社の下請けで違法取引きをやっている人とか、1人2人の単位で子供をコツコツと助け出している金持ちの老人とか、 海外からのジャーナリストとか、 RUFの襲撃を逃れた村の老人とか、 内戦、違法取引き周りの人々が、 それぞれの立場からいろいろなことを言う。 一人一人に人間味を持たせて、、という感じでもなく、 善玉悪玉の線引きということでもなく、 多少、典型的な感じで描いてある部分もあるけれど、 全編を通して、さまざまな目線を交錯させている感じがした。 それぞれの事情とか本音とかエゴとかきれいごととかが飛び交う。 言いにくいけど声を大にして言いたいことなんかを、 劇中の誰かに言わせているようなところもあり、 セリフを一生懸命聞いた映画だった。 その中で、唯一、ほとんど発言権を持たされていなかった人達がいた。 ダイアモンド会社の役員である。(*1) アフリカの混沌とした状況の中で、彼らだけが、 ほとんど何も語ることなく描かれていたのだけれど、 ふと気が付けば、私自身を含めて、映画を観ている観客のほとんどの人にとって、自分の立場と最も近い存在というのは、この役員達なんではないかと思う。 セリフは自分で考えろということだろうか? 何か言えることがありますか?ということだろうか? 実は、という感じで、観客に対しグッサリと白羽の矢が立っていた、というか向いていたのだなあと思った。 セリフに注目していたこともあり、 シリアスな内容の映画のわりに淡々とした態度で観ていたのだけれど、 映画のドラマの部分のレオナルド・デカプリオの演技はなかなか良かったと感じた。 デカプリオが演じていたのは、 主役の白人系アフリカ人で、 前述のように、その生い立ちと現状というのは、 アフリカ社会の暗い面の多くを詰め込んで作られたようなキャラクターなのだと思うが、 彼が、ジャーナリストの女性と出会い、彼女の理想主義的な考え方にイライラして反発しているうちに、 自分の人生を納得できるものにしたいという気持ちが出てくる過程が非常に良かった。 彼の全般的に救われない感じの人生は、状況的にいつ終わってもおかしくないような中で、 この女性の存在の出現は、「ぎりぎり間に合った!」という感じだったと思う。 ドラマ部分には、黒人系アフリカ人の漁師とその息子との関係など、救いとなるような内容はあちこちに散らばっていたものの、 デカプリオの部分は、決して明るい結末ではないにもかかわらず、最も「救い」だったように思う。 (*1)ダイアモンド会社の役員の1人を演じたMichael Sheenという俳優さんは、同じ年に公開された「The Queen」の中で、 トニー・ブレア首相として登場する。 目の大きさとか全然違う顔のつくりのはずなのに何だか良く似ていて、なかなかの好演だったと思う。 でも、「Blood Diamond」の中で、この俳優さんが演った役員がロンドンで(違法)取引きをするシーンがあったりしたこともあり、2つの役柄がだぶってしまった。 私は「Blood Diamond」→「The Queen」→再び「Blood Diamond」という順番で観たので、 いい人風に描かれているトニー・ブレアを眺めつつ、 「でも、この人、違法取引きやってたし」と思い、 違法取引きをやっている役員を眺めつつ、 「ブレアの奴、こんなところで金儲けしてるな」と思った。↑ (2007年3月27日) |
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